と、いうことでKhodaa-Bloomの試乗会第二弾、アルミバイク編です!
前回紹介したような高額カーボンバイクは基本的にレーサーをターゲットにしているので、基本的な設計思想は同じで、全く性格が違うという事はありませんでした。ですから、別にクリテリウム向きバイクのFARNA PRO AEROがヒルクライムで使えないかと言ったらそういうわけでもなく、FARNA Ultimateをクリテリウムで使っても全然OKなわけです。
ただ、レーサー以外を対象にしたバイクとなるとガラッと性格が変わります。
普段はのんびり走って観光しにいってます、という方やレースには出ないけど友達とちょっと小競り合いをしながらロングライド走ってます、とか色んな方がいます。
そういった色々な方に、限られた予算の中で最高の性能を得られるようにするために設計思想から変えているものがアルミバイクにはあって、とても個性的なバイクがあるんですね。
お値段だけではわからない世界。
その一端をご紹介できればと思います。
用途が合えば最高の相棒になってくれるものがあります。
まずはアルミのエントリーモデルであるFARNA700-105。
お値段15万円ナリ。

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カメラを背中に入れていたらレンズが曇っていてこんな写真になっちゃいました…
実は、今回の試乗会で真っ先に乗ったのがこのモデルでした。
気になっていたんですよねー。
見てみると、ホイールに105よりグレードの高いアルテグラが入っています。

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み、見えないですよね…。スミマセン。
これは試乗車だからやっているわけではなく、完成車でも同じホイールがついてます。
基本的にはエントリーモデルの完成車ってコストダウンの為にクランク、ブレーキ、ホイールはサードパーティーだったりメーカーオリジナルのものを付けている事が多いんですが、これはアルテグラが基本装備。
ちなみに、下位モデルのTiagra完成車はブレーキが105にグレードアップされています。見かけの値段ではなくて中身で勝負したいというメーカーの考え方が見える部分ですね^^
また、レーシングモデルが40~35km/hで走る事を想定されているのに対して、FARNA700は20~25㎞で走る事を想定された基本設計になっているとの事。
これが走りにどんな違いをもたらしてくれるのか、楽しみです^^
重量は8.8㎏と、それほど軽量でもないんですが、漕ぎ出しは思ったよりも軽い。
ホイールがアルテグラになっている効果でしょうね。
ホイールベース、特にリアセンターを長めに取っている(レースバイクと比べて+15mm)ので加速は0㎞/hからいきなりトップスピードに持って行くような急加速は苦手のようですが、徐々にスピードを上げていくような走り方をする分には問題ありません。
ただ、それを補って余りある
直進安定性の高さが素晴らしい!
レースバイクはハンドルがクイックになっているので、下手なペダリングをすると車体が左右に揺れ、ハンドルが振れてしまう事で微妙に蛇行してしまうことがあります。
それを抑えるために、ハンドルを持つ手に力が入ってしまって、肩が凝る、腕が痛い…なんてことになる事があるのですが、このバイクはまっすぐに進む力が強いので肩周りの力を抜いて安心して走る事が出来ます。

サドル形状が私のお尻に合っているからか、乗り心地も良くて不満は無し。

バイクをよく見ると、シートステーに潰し加工が入っていて縦方向の振動を吸収してくれる構造になっています。
このバイクで狙っているのはこないだのしまなみ海道のようなツーリングだと思うのですが、走る事に体力を使い過ぎず、
目的地で遊ぶ体力を温存する事が出来るモデルだと思いました。
同じフレームでClaris、Tiagra、105とラインナップがあって、それぞれ8.5万、11万、15万円とありますが、正直なところこのバイクでツーリングを楽しむということであればClarisやTiagraで十分だと思います。
ということで、気を良くして次に乗ったのはFARNA SL 105。


16.5万円ナリ。
ちなみに、アルミフレーム+105組のバイクで7.8㎏という車体重量は世界最軽量だそうです。カーボンキラーとして名高いCANNONDALE CAAD12やGIANT TCR SLRは7.9㎏なので、100g程度軽いという事になります。

その秘密はトリプルバテッドチューブで、通常のメーカーであれば最も薄い部分でも0.9mmのところ、本モデルでは0.7mmしかないとか。
実際、トップチューブを叩いてみると乾いた反響音がして、明らかに薄く作ってるんだなーって事がわかります。
そんな、著名カーボンキラー達と比肩しうる重量性能を持ちつつ、お値段はそれらよりもぐっと抑えた16.5万円。
これで性能がショボかったらただのコンセプト倒れなわけですが…。
コレ、いいわっ!!
正直、カーボンバイクと差がないんじゃない?と思うくらいの加速性能。機械的な性能(BB周りの剛性やら振動吸収性やら)で言えばそりゃカーボンモデルの方がイイって分析結果が出ると思うんですが、実際走って差が出るのかどうかは別問題。
BB周りは私みたいなチビッ子ヘタレでも硬すぎない適度な硬さで脚も残るでしょうし、ダンシングした時の軽やかさも気持ちよくて、10%くらいの斜度の上り坂でもパワーで押しきれそうです。
レースで走ったら差は出ないんじゃないか?と思うくらいの出来の良さでした。
レースバイクなので先ほどのFARNA 700よりも若干乗り心地は劣るかなー?と思いましたが、純然たるレーシングモデルです。
正直、これが16.5万円は安すぎるっ!一緒に試乗会に行ったお客様もこの性能と値段にばひっくりしてらっしゃいました。
初めて競技をされるような高校生、大学生の一台目としてもちろんピッタリですし、たまに平地のレースに出たいんだけど…という私みたいな人の二台目としてもオススメです。
そして、最後はFARNA SL2。
すいません、写真を一枚も残していませんでした…。汗
フレーム形状はSLのような角を落とし、アルミの素材も6011Aから6066(6061だったかな??)に変えて、走りの角も落としたモデルとの事。
実際乗ってみると、FARNA SLとは別物でよりロングライドにオススメできるバイクになっています。
BB周りも硬さはほどほどで、パキッとした反応を返してくるものではなくてバネ感のある感じ。
また、ジオメトリーもフロントセンターが長くなっているようで、ハンドリングの安定感が増しており、乗り心地も向上しています。
今回の試乗では距離が短かい&単調な平坦路という事もあって、ココがダメという欠点があるわけではないんですが、逆にココが滅茶苦茶イイ!という事も感じませんでした。汗
どっちかというと、FARNA 700とSLを足して2で割ったような感じでしょうか。
特に用途が決まっているわけではないけど、ロードバイクで色々やってみたい、という方にはハマってくると思います。
どんな使い方をしても、大きな不満は出てこない事でしょう^^
ということで、2回に渡ってお送りしたKhodaa-Bloomの試乗会レポートでした。
今回、お客様と一緒に行ったのですが、「やっぱり、自転車って乗ってみないとわからない」という話で一致しました。笑
買う、買わないは兎も角、とりあえず一回乗ってみて、自分に合うバイク合わないバイクというのがどういうものなのか、自分の中に情報を溜めていくというのは大事だな~と感じさせられた一日でした。
またこのような試乗会があればご案内しますので、是非皆様もお越しくださいね^^